2023/11/19
草木堆肥を振り、耕そうとしていましたら、スコップの先に蝶々が群がってきました。草木堆肥の甘い香りに誘われたようです。
一心不乱に蜜を吸う蝶々。かわいそうなので、しばらくそのままにしておきました。白いものは苦土石灰・蛎殻・草木杯です。
健全な農産物とは? PART2.
―農薬より怖い除草剤・抗生物質・化学物質・硝酸態窒素による土壌複合汚染―
有機農産物は安全?有機無農薬野菜?についてどこまで消費者は知っているのでしょうか?
消費者は農産物の安全性について農薬のことしか言いませんが、農産物の安全性を阻害している以下のような四つの課題があるのです。
- 除草剤の恒常的使用
- 有機肥料に含まれる抗生物質や化学物質
- 肥料栽培による土壌汚染―過剰な硝酸態窒素(毒素)
- 残留農薬問題―より深刻な浸透性農薬(ネオニコチノイド系農薬)
(畜糞などの有機肥料に含まれる抗生物質や化学物質)
一部の学者などから現代の有機野菜は危ないと言った声が聞こえてきます。
同じ有機野菜仲間としては少し腹立たしく思ってしまいますが、それはこう言った事情があるからです。
現代の日本の畜産農家のほとんどが配合飼料(99%がアメリカ産)を使っています。
その配合飼料には除草剤を吸い込んだ遺伝子組み換え作物であるトウモロコシ・麦・大豆が主原料です。
その配合飼料には浸透性農薬(発癌物質ネオニコチノイド)が含まれ、更に怖いのは畜舎での病原菌蔓延
を嫌って抗生物質(ウィルス・菌類・微生物を駆逐)が大量に投入されております。
この畜糞が有機野菜の主な肥料となっている事実があります。
多少の化学物質や抗生物質であれば、微生物は分解してしまうのですが、実際には投入量が多くて
微生物等は負けてしまいます。これが次々と畑に投入されれば畑は次第に無菌状態の土壌に変わって
いきます。ごわごわとした土壌になっていき、自然循環機能を失って再生不能な死んだ土壌になって
いくのです。
巻き掛かっている白菜。当農園では密集栽培を行っております。野菜は競い合って大きく育ちます。より大きく育ったものから
先に出荷し、次に育つ白菜を出荷し、最後に総取りとなります。ちなみに当農園の白菜は筋が目立たず、口の中で溶けていきます。
草木には無限大の種類の菌類・微生物が棲んでいます。その量も半端ではありません。
彼らは元素以外は分解してしまいます。化学物質や抗生物質は複雑な分子の絡まりで出来上がっており、
その分子を分解し、無力化してしまう力を持っております。石油などもたちどころに分解します。
菌類・微生物・ウィルスは自然界を常に浄化する機能を持っており、自然界では一つの菌類・微生物・
ウィルスだけが膨大に繁殖することは出来ません。例えば、オー157・サルモネラ菌などは畑に棲ん
でいますが、常に共生・食い合いなどを行いながら自然の秩序を保ってくれています。
その力は偉大なのです。コロナ以来その中ではやたら除菌・滅菌などと言うワードが飛び交っており
ます。むしろ自然界に身を委ねた方が安全かもしれませんですよ。
当農園も草木堆肥を作る際に発酵促進剤として牛糞を10%ほど入れます。
当農園が使っている牛糞は放牧牛若しくは繁殖牛です。その主食は当然に草です。この牛糞は匂いが
少なく、訪れた方は全く牛糞とは気がつかないほどです。
当農園では一回当たりの堆肥作りの時間は約一ヶ月半です。もし、牛糞を入れないと3ヶ月以上を
要します。堆肥が完成するまでに三ヶ月以上掛かれば約3ヘクタールの畑には間に合いません。
30年以上むかしであれば、家畜の餌は自家製飼料がほとんどでした。その時代の有機野菜は安全
だったかもしれません。最近では抗生物質不使用の畜糞を使っていますと表示しているホームページ
もちらほらと見かけます。
せめて多くの有機農家が草木を混ぜて発酵させたものを畑に投入してくれればと願っております。
畜産農家は飼料代金の高騰を受けて国産飼料作りに取り組んでいる方も出始めております。
当農園では圃場に化学物質を持ち込むことを極端に嫌っており、高窒素の米糠・油粕なども使って
いません。